若桜木虔メール通信添削講座 体験談 その22


「きらら文学賞」応募体験記  木村啓之介さん


 昔、こんな空想をした覚えがあります。
「スポーツ選手を志す人間はスランプの時は走り込みを行えばよい。それに比べて、小説を志す人間がスランプの時にできるの、は頭を抱えることくらいだ」と。

 私は、物書きになりたい、と願う心は強かったものの、足踏みしている状態が長く、書いては消して、消しては書いてという一歩進んで二歩下がるみたいな時代がずっと続いていました。着想はまあまあだと思うのですが、それが小説となって纏まらない。散文の塊のようなものを量産しては、ため息を吐くという感じでした。

 先生との出会いは『プロ作家養成塾』というKKベストセラーズ社の新書でした。そもそも、新人賞に応募しようなどと思っている輩は自分も含めて、妙な自信を持っている人間が多く、先生の本を読んでも「自分だったら、こんな失敗はしない」などと思っていました。それが、先生の添削を受けるようになって、本の中で先生が指摘されていた典型的な失敗を自分が多々犯していることに気づきました。「知っていることと、できることは違う」と強く思った瞬間です。

 先生の指導を受けるようになっても、試行錯誤は続くのですが、ベクトルがはっきりとしてきたのは、紛れもない事実です。今までは、漫然と努力してきたのだけれど、指導を受けるようになって、どこをどのように努力すればよいのかが分かってきました。
 けれども、応募する作品が一次選考も通過せず、悶々とする期間が長く続きます。今回は『天高く』という作品で最終選考まで残ることができた(207応募作品中の8編)のですが、落選は落選であり、悶々度は前にも増して強くなっています。
 それでも、前に自分が持っていた妙な自信がなくなった代わりに、自分の長所と短所がかなり自覚できてきたと思います。

 新人賞なり、文学賞はゴールではなく、スタートです。今回の落選は、スタートラインに着くまでの助走だと考えています。先生には競技場へと入る入場券を頂いたと思っています。没原稿の多寡がその後の作家生活の血となり、肉となると信じて頑張ろうと決意を新たにしています。今後も指導のほど、よろしくお願い致します。

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