若桜木虔メール通信添削講座 体験談 その19


『このライトノベルがすごい!』大賞二次選考(613作品中23作品)を通過して 屋武彌志さん

 喩えるならば。
 苗木というプロットと、肥料と土壌といった世界観やキャラクターを用意します。
 先生に「この苗木を育ててみたいのですがいかがでしょう?」と尋ねてみると、「この苗木は杉ですね。杉は日本の様々な山に、伐採しきれないほどあります。ですので感心できません」と、ご回答を頂くのです。
 ……いえ、ここまでが恐らくは、普通の小説添削なのではないでしょうか。少なくとも僕が昔、受講していた別の添削講座では、それ以降の提案をまるで頂けませんでした。
 先生の場合は、上記の回答を用意した上で、こう仰られます。
「杉を育てないならば、土地はフィリピンにしましょうか。それも海岸沿い」
 と、眼球が飛び出るくらい突拍子もない提案を頂きます。
 眼から鱗……どころの話ではありません。それまで構築していた自分の世界観が瓦解する勢いの提案です。
 ですが、よく咀嚼すると、先生の提案がよりよい作品に仕立てる的確なエッセンスであることに気づかされます。
(よく分からない喩えですよね。すみません……)

『このライトノベルがすごい!』大賞二次選考に通過した作品も、まずはプロットの段階で、三回くらいリテイクをさせていただきました。
 キャラクターに魅力が足りない(ありきたりすぎる)から始まり、世界観設定も剣や魔法の世界ではなく全く違った要素を……と、先生の指導は細部に渡り、僕の作品は回数を重ねるごとに叩き上げ直されていきました。
 また作品の中で最も重要視される、冒頭十ページができるまでも、非常に時間がかかりました。
 六回はリテイクを頂いておりましたが、その中でも一番印象的だった指摘があります。
「エンターテインメントは、基本的に緊迫したシーンから始めるのが鉄則。説明などは極端な話、どうでも良いのです」
 このお言葉が今でも胸に響いています。

 先生には申し訳ないのですが、この一文は印刷をして、小説を書くパソコンの側に貼っている次第です。
 僕はエンターテイメントを書きたいのです。だから、面白さを読者に伝えるための手段を間違えてはならないんだ! と、それ以降、肝に銘じております。
 ……プロデビューをしていないので、お前は何を言っているんだと言われちゃいそうですが。
 今回は幸運にも二次選考通過(613作品中23作品)という結果を頂けました。
 ですが、僕の力が足りないばかりに、三次選考にて落選しました。
 落選を知った夜は、悔しさと申し訳なさで泣きました。
 また何回でもチャレンジする心構えではありますが、何回落ちても、僕はきっと泣くと思います。
 そのたびに、次はこうしよう、次こそはと思えるよう、
 常に心を強くして、次回作に挑んでいきたいと思います。

 最後となりますが、僕は是が非でもプロデビューがしたいです。
 自分の筆名が載った本を、自分の本棚に並べ、それをいつか生まれる子供が手にとって読んでくれるという……途方もなく他愛もない夢を何度も、何十回も、何百回も描いてきております。
 ですが、これこそが僕の夢です。
 まだプロではないので、夢しか書けませんでしたが、実現に向けて、これからもなにとぞ、よろしくお願いします。

もどる