若桜木虔メール通信添削講座 体験談 その14


TBSドラマ原作大賞最終候補に残って 鈴城なつみちさん

若桜木先生の講座を受講して

 どうやら、五七〇分の五、最終選考に残ったらしい。
 私がTBS&講談社第三回ドラマ原作大賞の最終選考に残った、という連絡を、事務局から受けたのは、一月下旬。
 講座を受講し始めて、約一年。小説をまともに書き始めて、約半年が経過した頃だった。

 それまでの私は、趣味程度でぽつぽつと小説のようなものを書いては、ぽつぽつと校正し、目に止まった小説の賞に応募しては、ぽつぽつと落選を繰り返していた。
 得体の知れない、もう、なんかよく分かんない、なんと言うか、もう、凄く、なんか、こう……正直、今になって思い返してみると、何が書きたかったんだろうと思うストーリーの小説を、これまたよく分からない持久力と、これを書き上げて応募すれば晴れて小説家フフフ……という妄想に背中を押され、書き続けていたのだった。
 詰まる所、私は、ハイパー勘違い野郎であった。
 エジソンは子供の頃は勉強できなかったから、俺も大丈夫、と胸を撫で下ろすのと、同じくらいの、勘違いだったに違いない。ああ、おぞましい。

 さて、その勘違いの状態での、若桜木先生の講座との出会いは、まさに衝撃だった。
 自信満々で提出したプロットが、見事、没!
 今にして思うと「そりゃあ、あのプロットだったら没だろうねぇ」だが、当時の私は、勘違いも甚だしい糞野郎極まりなかったので「えええっ! なんでぇ?」と驚いたものだ。

 その後、先生に色々とアドバイスを頂戴し、プロットが完成。なんとか執筆開始となった。
 先生の指摘は、とにかく的確、圧巻だった。
「ここ、サボっちまえっ。どうせ分かんねえや! げへへっ」と少しでも手を抜くと、次の早朝にはメールが返ってきて、震え上がるほどに手抜きが見透かされ「ここの表現が……」と、しっかりと、注意を促されるのだ。
 ……先生は、エスパーなのだろうか。
 また、小説の登場人物の台詞である「カエルの生皮を剥いで、醤油に浸けて、たいそう美味そうに食ってたりするんだぜ」に至っては、「カエルやヘビやトカゲの生皮……」と、いった具合に、二匹も追加された状態で、台詞によりキャラクターらしさが生まれた状態で返ってきた。
 ……先生、動物類脊索動物門爬虫網有鱗目を……二匹も! 

 その後、先生に作品を応募するまで、何度も何度も添削いただき、色々とご相談させていただいた。
 なんとか自分の執筆ペースを掴み、どうにか書き上げたものが、五七〇分の五、まさかの最終選考まで残ったのだから、凄く、そりゃあ物凄くそわそわした。そわそわの塊だった。そわそわするよね、人間だもの。

 正直「五七〇分の五、最終選考」に実感が湧いたのは、落選後だったのだが、箸にも棒にも掛からなかった時代を考えると、これは、途轍もない進歩なのだろう。
 この進歩も先生のお力添えがなければ、私は進むことはおろか、文章を書くという行為を止めていたのかも知れない。

 先生、本当に、ありがとうございました。
 そして、これからも、どうぞ、よろしくお願いします。

 ……と、体験談を書き終り「自由に書きすぎです」と添削されて返ってきたら、マジでどうしようと、私は、今、もの凄く不安なのであった。

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