若桜木虔メール通信添削講座 体験談 その9

メール講座受講体験記 『幽』怪談文学賞佳作受賞 藤原葉子 さん

 私が若桜木先生のメール添削通信講座を申し込んだのは、昨年の暮れでした。思えば、講座を受講してからのこの1年はあっという間でした。
 受講を申し込んだ頃というのは、自分なりに書いた小説を新人賞に応募しては続け様に落選し、とても落ち込んでいた時期でもあります。どうすれば、せめて予選を突破できる作品を書けるようになるのかと悩みましたが、私一人でいくら考えても分かりません。それなら、誰かに聞いたほうが絶対に早い。先生の講座を受講しようと決意したのはそんな理由からでした。
 まず最初に、先生には時代小説が書きたいとお伝えしました。しかし、今まで時代小説など書いたことがなかったので、いざとなると、何をどう書けばいいのかが分かりません。そんなときに先生から頂戴した一言は「大きな嘘なら、どんな嘘でもついていいんですよ」というお言葉でした。同時に「嘘がバレないためには時代考証はきちんとする必要がある」とのお言葉も。今思えば、その一言で、踏ん切りが付いたような気がします。「そうか、どんな嘘でもいいんだ」と逆に開き直りました。どうせなら思い切り楽しい嘘がいい、自分が楽しめるような嘘を書けばいいんだと。しかし、実際、書き始めると、自分で書いたものがどうにも陳腐に思えて仕方ありませんでした。
 添削指導では『鴉が「カァー」と鳴いた』と書いて送れば、先生は『「アホー」と鳴いた』と修正してきてくださる。思わず、笑ってしまいましたが、そこでもまた、踏ん切りが付きました。そうか、陳腐なことを書くなら、とことん徹底して陳腐なことを書けばいいんだ。時代考証が間違っていても、先生がちゃんとチェックしてくれますし、駄目なら駄目ときちんと突っ込んでくれる。そう気付くと、あとは先生の胸を借りて、力を抜いて好きなように、楽しみながら書かせていただきました。
 今回、第4回「幽」怪談文学賞の佳作という名誉ある賞をいただくことができ、時代小説だけではなく、怪談文芸という新たな方向へも導いていただけたと思っております。
 まだまだ教えていただきたいことは、たくさんあります。これからも、先生の広い胸をお借りして、小説を書き続けていきたいと思っております。

もどる