若桜木虔メール通信添削講座 体験談 その7

【《日本ミステリー文学大賞新人賞》の応募体験談】  CKさん

 NHK文化センターの若桜木先生の教室を訪ねたのは、一年前の夏です。
 それまでの私は、原稿用紙十枚ほどの短編を趣味で書く程度で、投稿の経験もなく、全く無知な初心者でした。
 教室見学者の私を暖かく迎えてくださり、まずはプロット作成から始めてみようと入会の手続きをしました。
 プロットを作るのも初めてです。二度ほど訂正した後、「これで執筆に入ってください。これなら、五百枚ほどでしょう」と言われ驚きました。
 このプロットを、どう書いたら五百枚にもなるのか。構成も骨組みも漠然としたまま。脱稿なんて想像もつきません。
 当の本人が全く見当もつかないのに、先生は自信ありげに「大丈夫ですよ」と頷いておられます。本当だろうか……。とりあえず書いてみよう。半身半疑ながらも創作が始まりました。
 当然、最初から躓きました。構成がなってない。どうしても時系列が狂ってしまう。情景描写、表情描写などの挿入方法すらわからない。語彙があまりにも少ない。
 一節ごとのメール添削が始まりました。先生の添削チェック箇所に、ご指南どおりに描写を追加していきます。教室では知識不足の私に、先生がお勧めの本や資料を何冊も貸してくださいました。
 本を読み、語彙を少しずつ増やし、インターネットや資料を駆使する日々が続きました。メールで添削指導、教室では展開やキャラクター見直しの指導を受ける、といった具合でした。
 やがて毎日少しずつの努力の末、八ヶ月かかってやっと書き上がりました。やはり構成力の弱さから、最終章に無理がありました。でも初めての作品です。最後まで書けたことだけで私は満足でした。仕上がりは五百枚弱。先生が言われたとおりになりました。
 題名と章題もいくつか考え、先生に選んでいただきました。書き始めた当初は、どんな作品に仕上がるのかわからなかったため、題名が後回しになっていたのです。
 さて、完成です。「各文学賞の傾向から光文社が良いだろう」という先生のアドバイスで、日本ミステリー文学大賞新人賞に応募しました。
 脱稿の快感が忘れられなくなった私は、早速、次の作品を書き始めました。また長編に挑戦です。前作で先生に基礎を叩き込まれたおかげで、ずいぶん楽に書けるようになった気がしておりました。
 そんな時、光文社シエラザード財団からお電話をいただきました。なんと、日本ミステリー文学大賞新人賞、最終候補四作に残ったというのです。
 信じられませんでした。最初の作品が、まさか最終候補作に選ばれるなんて……。
 これは私の力ではありません。先生のご指導どおり、素直に導かれるままに書いてきただけなのですから。
 先生に教えていただいたことがいかに貴重だったかを、改めて感謝しております。異例の速さで道をつけてくださいました。無駄にしないよう、これからも先生ご指導のもとに努力を続けていくつもりです。

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