若桜木虔メール通信添削講座 体験談 その6

【《ちよだ文学賞》の応募体験談】  理河 舜さん

 先生の添削講座を始めて一ヶ月。ちょうど長編の時代小説の(当時の)第一章を書き終え、ほっとしていた時でした。先生から「出してみませんか?」と《ちよだ文学賞》の応募の案内メールをいただきました。
 アイディアの参考に、と先生から送っていただいた江戸時代関係のサイトを見ながら、時代小説のプロットを作成しました。残念ながら、提出したプロットはTVの時代劇そのもので、「ありきたりです」とあえなくボツ。そのときに頂いたアドバイスを元に、プロットを練り直し、無事にOKをいただきました。冒頭は、時代考証ミスでまたもや全ボツしつつも、なんとかOKを貰いました。
 原稿を書き進める中では、ときどき「この後はどんな展開だったっけ?」とプロットを確認する以外は、途中で物語の展開に悩んだり、迷ったりすることはありませんでした。ふと、先生が著書でおっしゃる「プロットが完成していれば80%は出来上がり」という箇所を思い出し、あれは事実だったんだなぁ、と感動しました。
 物語の展開はスムーズでしたが、執筆が全て順風満帆だったわけではありません。地理が苦手な私は、方向感覚や距離感がよくわからず、何度も先生から「間違っています」と指摘を受けました。また、小説執筆に慣れておらず、視点のブレが多発し、その度に先生から「ここから視点がブレています」とチェックされたり。「(江戸時代の)白玉入り心太は、甘いんですか?」や「金魚掬いで掬った金魚は、どうやって持ち帰りますか?」という細かい時代考証的な質問にも、参考資料のサイトと共に、丁寧に回答してくれました。
 初めて書き上げ、初めて投稿した小説が、運良く最終候補5編の中に残りました。月並みな言葉ですが、私一人では最終候補に残るなど、とうてい不可能です。先生の添削指導があったからこそ、素人の私が最終候補に残るという偉業を達成できたのだと実感しています。
 自分の拙い『空想の物語』が、先生の添削後に『小説』として生まれ変わる姿には、毎回、目を見張ります。過去に時代小説どころか、小説すら書いたことのない私の「小説を書いてみたいなぁ」という気持ちが「読み手が面白いと思う小説を書きたい」という気持ちに変わったのは、先生の厳しく丁寧な添削指導から、小説執筆の楽しさ――達成感や充実感――を学んだからです。
 あの時、先生の本と出合わなかったら。あの時、先生にメール添削を申し込んでいなかったら。たとえ、偶然に《ちよだ文学賞》を知り応募していたとしても、私の原稿は一次審査落ちだったと確信しています。
 夢のような話ですが。新人賞を受賞できる日も、もしかしたら『角を曲がった、すぐそこ』まで来ているのかもしれません。

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